日々の会話ナレッジが会社の資産になる|チャット化で始めるDX改革

青いデジタルメールアイコンが漂う近未来的なオフィスの通路。メール文化からチャット化への変化を象徴するイメージ。

DXが進まない本当の理由とは?


多くの中小企業が「DXを進めたい」と考えていますが、現場では「何から始めればいいのか分からない」という声が圧倒的に多く聞かれます。
その背景には、長年の“メール文化”があります。メールは便利なようでいて、実は情報が個人の受信箱に閉じ込められ、他のメンバーが把握しづらい仕組みなのです。

結果として、同じ質問や確認が繰り返されることによって、業務スピードが低下します。
DX推進とは最新のツール導入だけでなく、「情報の流れを変えること」から始まるのです。


メールからチャットへ──情報共有の質が変わる


チャットツールは単なる「会話アプリ」ではなく、ビジネスの生産性を高める基盤です。
話題ごとにチャンネルを分けられ、検索機能により過去のやり取りもすぐに参照可能。
メールでは埋もれてしまう情報が、チャットでは“生きたナレッジ”として残ります。

「👍」「❤️」などのリアクションが文化として根づくことで、社員間の心理的な距離も縮まり、発言しやすい雰囲気が生まれます。
実際に、日報や業務メモをチャットに投稿するだけで、社内のナレッジが社内の共通の場に蓄積されていきます。
これこそが、自然に進むDXの第一歩なのです。

数字で見るチャット化の効果

NTT西日本の「企業のビジネスチャット利用実態調査2024」によれば、
チャットを導入した企業の 54.3% が「とても役に立っている」、
さらに 36.1% が「やや役に立っている」と回答しており、
合計で90%近くの企業が 業務貢献性を実感 していると報じられています。

また、導入企業の 63.4% が「ほぼ毎日頻繁に活用している」など、
チャットが単なる補助ツールではなく日常業務に根づいていることも明らかになっています。
〖NTT西日本〗法人向けICTサービス・ソリューション

さらに、実際の導入事例を見ると、
電通デジタルでは Slack 全社導入後、約2か月で 約80% が「レスポンス速度の向上」を実感。
また 70% が「コミュニケーション改善」を挙げています。
Slack:10 週間で Slack を全社導入!電通デジタルのコミュニケーション改革

建材メーカー「カクイチ」の事例では、導入1年後に Slack の週間アクティブ率(WAU)が 94% に達し、
社内各拠点での情報共有と意思決定スピード向上にも成功しています。
Slack:創業 130 年超・老舗企業カクイチの意思決定スピードが Slack 導入で 4 倍に

これらのデータは、チャット化が単なる機能追加ではなく、組織のスピードと知見共有力を底上げする力を持つことを示しています。


小さく始めるDX──成功のカギは“最初の一歩”


全社導入を一度に進める必要はありません。
まずは1部署・1テーマ(例:顧客対応や製品トラブル報告など)から試すことが重要です。

そして、なんと言っても最初の一歩としておすすめなのは、「リアクション文化」を根づかせること。
誰かの投稿に「👍」や「👏」で反応するだけでも、チーム内の温度感が上がり、投稿しやすい雰囲気が生まれます。
小さなアクションが積み重なることで、やがて自然にナレッジ共有が加速します。


日々の会話が“会社の資産”になる


チャットツールの魅力は、日常のやり取りがそのままナレッジになることです。
特別な仕組みを作らずとも、日々の会話が蓄積され、誰でも必要な情報をすぐに見つけられる状態が整います。

DXとは、“特別な取り組み”ではなく、“日常を変えること”です。
メールをやめてチャットを使う、その小さな一歩が、組織全体の変革を生み出します。


今こそ、DXの第一歩を踏み出そう


DX推進は大企業だけの話ではありません。
中小企業こそ、現場発のデジタル化で成果を出しやすい環境があります。
「チャット化から始めるDX」は、費用も手間も少なく、効果を実感しやすい手段なのです。